
「もうA型にかかったから、今年は大丈夫ですよね?」
外来でこの質問をされることが、今シーズンとても増えています。ところが実際の診療では、小学生〜中高生を中心にインフルエンザB型の受診が目立ち、学級閉鎖が相次いでいる地域も少なくありません。A型にかかったあとでも、B型に続けて感染するケースは決して珍しくないのが現状です。
現在の流行状況:要点3つ
🔴インフルエンザB型はシーズン後半(今まさに)増えやすい
🔴小学生〜中高生での流行が目立ち、学級閉鎖の引き金になりやすい
🔴A型とB型は別のウイルスのため、同じ冬に2回かかることがある
背景・今シーズンの流行状況
今シーズンは、年明け以降A型のピークが落ち着いた一方で、B型で受診されるお子さんが増えています。特に
小学校高学年
中学生・高校生 といった集団生活の密度が高い年代で広がりやすく、結果として学級閉鎖・学年閉鎖が増えている印象です。
診療現場で多いのが、
・夜に急な高熱が出た
・翌朝には解熱している
・ただし咳やだるさが残っているため受診
というパターンです。この場合でも検査を行うと、インフルエンザ(特にB型)が検出されるケースが少なくありません。
この「翌日にいったん解熱する」経過は、インフルエンザB型では珍しくありません。発熱はウイルスそのものではなく、体の免疫反応によって起こります。感染初期に免疫が強く反応すると高熱が出ますが、その反応が一時的に落ち着くことで、治ったわけではないのに熱だけが下がることがあります。特に小学生〜中高生では免疫反応が鋭く、こうした経過をとりやすいと考えられています。
「クラスで半分以上休んでいる」「部活内で一気に広がった」という声も、日常診療ではよく聞かれます。
メカニズム:なぜA型とB型の両方にかかるの?
インフルエンザウイルスは大きくA型とB型に分かれ、免疫の効き方が異なります。そのため、
冬の前半にA型に感染⇨数週間〜1か月後にB型が流行
という流れになると、「今シーズン2回目のインフルエンザ」が起こります。
特に学校では、
・教室内での近距離接触
・マスクを外す給食・部活動
などが重なり、再感染のリスクが高まります。
症状の特徴:A型とB型
インフルエンザA型は、発症が急激で、38〜40℃の高熱が一気に出ることが多く、全身のだるさや関節痛などの全身症状が強く出やすいのが特徴です。
一方、インフルエンザB型も急に発症することはありますが、A型に比べるとやや緩やかに始まるケースも見られます。発熱は高熱になることもあれば中等度にとどまることもあり、症状の出方に幅がある印象です。また、B型では腹痛や下痢などの消化器症状を伴うことがあり、特に小児では風邪や胃腸炎と区別がつきにくい場合もあります。
ただし、症状の強さや組み合わせには個人差が大きく、症状だけでA型・B型を判断することはできません。

今できる対策(生活動線と実践ポイント)
1.生活習慣・家庭での工夫
・帰宅後すぐの手洗い・うがい
・流行期は「少し早めに寝る」
・家族内でのタオル・コップの共有を避ける
2.ワクチンについて(今シーズン後半の考え方)
推奨強度:一般論としては強(根拠レベル:高)
ただし今シーズンはすでに2月以降となり、今季分のワクチン接種は終了している医療機関が多い時期です。
そのため、これからの対策は
・早期発見・早期受診
・家庭内・学校内での感染拡大を防ぐ行動
に重点を置くことが現実的です。
3.抗インフルエンザ薬
発症後48時間以内に適切な抗インフルエンザ薬を使用すると、症状の軽減やウイルス排出期間の短縮が期待できます。特に高齢者・基礎疾患のある人は重症化リスクが高いため、早めの受診が勧められています。
・発症後48時間以内の受診が目安
・学校・部活を休めない時期ほど、早めの対応が重要
【やりがちNG】
・「一度かかったから、もう安心」
・解熱した翌日から通常登校・部活再開
・市販薬だけで数日様子を見る
✅10秒セルフチェック
□ クラスや部活でB型が出ている
□ 強いだるさや関節痛がある
□ 発熱が2日以上続いている
→2つ以上当てはまれば受診を検討しましょう
まとめ
インフルエンザは「1シーズン1回」とは限りません。特に今シーズンは、A型のあとにB型が流行する後半戦です。熱が下がっても安心しきらず、流行状況と症状をあわせて判断することが大切です。
なお、ちぐさ内科クリニック覚王山では日曜日も発熱外来を実施しており、急な発熱時にご相談いただける体制を整えています(※診療状況により受付時間が変わる場合があります)。
無理のない範囲で適切に受診し、ご家庭での工夫とあわせて健康管理にお役立てください。
参考文献・出典
📌 日本感染症学会, 日本小児科学会(2023)インフルエンザ診療ガイドライン
📌 国立感染症研究所(2024)インフルエンザ流行状況と疫学情報
📌 日本小児科学会(2022)小児の発熱に関する基本的考え方
📌CDC (2023) Influenza (Seasonal) – Clinical Overview
📌Treanor JJ. (2016) Influenza Viruses. Mandell, Douglas, and Bennett’s Principles and Practice of Infectious Diseases, 8th ed.
ちぐさ内科クリニック覚王山
内科/美容内科/美容皮膚科
内科医 美容皮膚科医 近藤千種

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