【医師が解説】AGA治療の基本と副作用|フィナステリド・デュタステリドの違い、初期脱毛、やめたらどうなるかまで徹底解説|千種区の内科・美容皮膚科|ちぐさ内科クリニック覚王山

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【医師が解説】AGA治療の基本と副作用|フィナステリド・デュタステリドの違い、初期脱毛、やめたらどうなるかまで徹底解説


フィナステリド・デュタステリドの違い、初期脱毛、やめたらどうなるかまでわかりやすく解説


「AGA治療はいつ始めればいいのか」「薬で何が違うのか」「副作用が出たらどうすべきか」
。これらは、初めて治療を考える方が真っ先に抱く疑問です。

AGA(男性型脱毛症)は、日本皮膚科学会の診療ガイドラインにおいて、フィナステリドとデュタステリドの内服がいずれも「推奨度A(強く勧める)」とされています。思春期以降に始まり、何もしなければ少しずつ進行していくため、「気になった時点で正しい情報を知ること」が将来の髪を守る鍵となります。




AGA治療の基本|フィナステリドとデュタステリド


AGAのメカニズムを一言でいうと、髪の成長サイクルが短くなってしまう状態です。髪を作る組織が男性ホルモン(DHT:ジヒドロテストステロン)の影響を受け、髪が太く長く育つ前に抜けてしまうのです。フィナステリドとデュタステリドは、このDHTを作らせないように働く薬ですが、その「守備範囲」に違いがあります。

まず、AGA治療の基本薬として長く使われてきたのがフィナステリドです。 国内の添付文書では、通常0.2mgから1mgを1日1回服用することとされています。FDA(アメリカ食品医薬品局)の資料によると、1mgの服用で血中のDHTを24時間以内に約65%抑制し、半減期(成分が体内で半分に減る時間)は約4.5時間とされています。毎日欠かさず飲むことで、安定した効果を発揮するタイプです。


これに対して、より広い範囲をカバーするのがデュタステリドです。 DHTを作る酵素には「I型」と「II型」がありますが、フィナステリドが主にII型を抑えるのに対し、デュタステリドはI型とII型の両方をブロックします。日本人男性を対象としたデータでは、血中DHTを0.1mgで83.6%、0.5mgで90.9%も低下させたという報告があります。また、半減期が約3.4週間(定常状態時)と非常に長く、体内に長くとどまって強力に作用し続けるのが特徴です。


「強いからデュタステリドがいい」と単純に決めるのではなく、体質や検査の予定、コストなどを踏まえ、まずは標準的なフィナステリドから検討するケースも多くあります。





前立腺の薬として使われる場合との違い

これら2つの薬は、もともと前立腺肥大症の治療薬としても使われてきました。AGA治療で使う量は前立腺の治療時より少ない場合もありますが、どちらも前立腺がんの指標となる「PSA値」を低下させることがわかっています。

具体的には、フィナステリドで約40%、デュタステリドで約50%ほどPSA値が低く測定される可能性があります。健康診断や泌尿器科を受診する際は、必ず「AGAの薬を飲んでいる」と医師に伝えてください。



AGA治療は何歳から始められる?

何歳まで続けられる?

AGA治療を検討する際、「若すぎないか」「もう遅いのではないか」と年齢を気にされる方は少なくありません。

まず開始年齢についてですが、フィナステリド・デュタステリド共に、国内の添付文書では「20歳未満での有効性及び安全性は確立していない」とされています。そのため、基本的には成人男性が対象となります。AGA自体は思春期以降に始まることがありますが、未成年の方への処方は慎重な判断が必要です。

一方で「何歳まで続けられるか」という上限については、明確な決まりはありません。しかし、高齢になるほど肝機能の変化や、持病による他の薬との飲み合わせ、前立腺の定期検査の必要性などが考慮されるべきです。フィナステリドの添付文書には「高齢者での有効性は確立していない」との記載もあり、機械的に年齢で区切るのではなく、お一人おひとりの健康状態を見ながら、治療のメリットが上回るかどうかを判断していくことになります。

 

 

副作用はある?

どんなことが起こりうる?


医薬品である以上、副作用のリスクを正しく把握しておくことは極めて重要です。フィナステリドとデュタステリドでは、報告されている症状や頻度が異なります。


フィナステリドの場合

国内で実施された1mg投与の臨床試験において、副作用(臨床検査値異常を含む)は6.5%(139例中9例)に認められました。

  • 性機能への影響: 性欲低下(1.1%)、勃起機能不全(0.7%)など。これらは、服用を中止しても症状が持続したという報告(ポストフィナステリド症候群)もあり、注意が必要です。

  • 肝機能への影響: 頻度不明ながら、重大な副作用として肝機能障害が挙げられています。AST、ALT、γ-GTPの上昇など、数値に異変が現れることがあります。

  • その他: 抑うつ症状、めまい、乳房の圧痛や肥大、発疹・蕁麻疹などの過敏反応が報告されています。



デュタステリドの場合

国内の第II相および第III相国際共同試験において、0.5mg投与による副作用の発現頻度は10.9%(403例中44例)でした。フィナステリドと比較しても、数値上の頻度は高めに出る傾向があります。

  • 性機能への影響: 勃起機能不全(4.3%)、性欲低下(3.9%)、射精障害(1.3%)など。

  • 重大な副作用: 肝機能障害(0.1%)や黄疸(頻度不明)が現れることがあります。

  • その他: 頭痛、腹部不快感、抑うつ気分、乳房の違和感(痛みや腫れ)、精巣痛など。


副作用が出た時のリスク管理

これらの副作用は「すべての人に起こる」わけではありませんが、「決して無視できる頻度ではない」というのが医学的な見解です。特に肝機能やメンタルヘルス、性機能への影響は、日常生活の質に直結します。

もし服用中にいつもと違う異変を感じた場合は、「少し様子を見よう」と自己判断せず、速やかに服用を中断し、処方された医療機関へご相談ください。治療の継続が適切かどうか、休薬や減量、あるいは別の治療アプローチへの切り替えを含め、担当医師と相談しましょう。治療は健康を損なわないことが大前提です。

 



妊活中の服用と、女性への注意点

妊活中の男性の服用について、フィナステリドは精液中に移行する量が極めて微量であり、パートナーや胎児に影響を与えるレベルではないとされています。ただし、国内添付文書には「精液の質の低下」に関する記載もあり、中止後に改善した例も報告されています。不安がある場合は、妊活のタイミングに合わせて事前に相談することをおすすめします。

また、女性への使用については明確に禁忌とされています。特に妊娠中の女性が成分に触れると、男の子の胎児の生殖器発達に影響を及ぼす恐れがあります。カプセルから漏れた薬剤は皮膚からも吸収されるため、ご家族やパートナー、お子様が触れないよう保管場所には十分注意してください。



初期脱毛と「やめたらどうなるか」


治療開始から数週間〜1ヶ月ほどで一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」を心配される方がいます。これは、薬が効き始めることで、休止期にあった古い髪が新しい髪に押し出される現象と言われています。科学的なデータとしては個人差が大きい部分ですが、もし起きたとしても「新しい髪への生え変わり」のサインであることが多いため、焦らず相談しながら進めましょう。

そして最も大切なのが、治療は「継続」が前提であるということです。これらの薬は服用している間だけAGAの進行を抑えます。服用をやめれば、時間とともに元の状態へ戻り、再び進行が始まってしまいます。無理なく続けられる治療プランを立てることが、10年後の髪の状態を左右します。

 





亜鉛と髪の関係、そして当院の取り組み

 

髪の主成分は「ケラチン」というタンパク質ですが、この合成に不可欠なのが必須ミネラルの亜鉛です。研究では、脱毛症の方は血中の亜鉛濃度が低い傾向にあるという報告もあります。

ただし、亜鉛だけでAGAが治るわけではありません。あくまで主役はフィナステリドやデュタステリドによる「抜け毛防止」であり、亜鉛はそれを支える「栄養サポート」の役割です。

当院では、この医学的根拠に基づき、フィナステリドに少量の亜鉛を配合したオリジナル製剤を取り扱っています。基本の治療を軸にしながら、髪の材料となる栄養面からもアプローチする、当院ならではの選択肢をご用意しています。

AGA治療は、ただ薬を飲むだけの作業ではありません。あなたのライフスタイルや将来の希望に合わせた「ベストな選択」を、一緒に探していければ幸いです。

 

参考文献

・日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」
・PMDA「プロペシア錠 添付文書」
・PMDA「ザガーロカプセル 添付文書」
・FDA “PROPECIA (finasteride) label”
・ザガーロ インタビューフォーム
・JDD review on androgenetic alopecia treatments and treatment-induced shedding review
・Zinc and hair loss review / systematic review

 

 

 

ちぐさ内科クリニック覚王山 
内科/美容内科/美容皮膚科

内科医 美容皮膚科医 近藤千種



近藤院長の経歴はこちら

 

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